あなたの農園、ネットショップにコンセプトはありますか?
答えられない場合は、すぐにコンセプトを作ることをお勧めします。
農家さんがネットショップを開業する時に、まず最初にやるべき事は、コンセプトの設定です。
ネットショップに限らず、成功するお店には、必ず明確なコンセプトがあります。
正しいコンセプトを作り、それに従ってネットショップを作成、運営していけば、結果はついてきます。
今回は、このコンセプトの作り方について説明します。
コンセプトと聞くと、何か難しそうに感じるかもしれません。今回の記事を読めば、コンセプトの重要性と作り方が分かりますので、ぜひ参考にして、あなたのネットショップのコンセプトを作ってみて下さい。
1.ネットショップのコンセプトとは
急にコンセプトが大事と言われても、ピンとこないですよね。
コンセプトとは、「あなたのネットショップがどんなネットショップなのか」という事を言葉にしたものです。
例えば、スイカ農家さんがネット販売を始める場合を考えてみましょう。
コンセプトが無いままネットショップを作る場合、どんなネットショップなのかが決まってないのですから、デザインやスイカの値段は決めようがありません。
おそらく何となく気に入ったデザインで、何となく決めた価格のスイカを販売する事になるでしょう。
このようなネットショップでは、その他大勢のネットショップに埋もれてしまいます。
そうではなく
「家族と生活しており、丁寧な暮らしをしている30~40代の女性へ、甘い熊本スイカを提供し、家族でおいしく食べて涼しく幸せな夏を過ごしてもらう」
のようなコンセプトがある場合はどうでしょうか
- ネットショップのデザインは、30代以上の女性に向けて、見易さ、シンプルさを優先し、家族で食べられる、安心感、信頼感の感じられるデザインにします。
- スイカは甘い品種のよく熟したスイカを販売し、甘さの理由をサイト内に掲載します。
- 価格勝負はしないので、利益の見込める値段を付けます。
コンセプトがあれば、それに基づいて全ての内容を決めることが出来ます。
このようにコンセプトがはっきりしていれば、他のネットショップに対しても、埋もれることはありません。
コンセプトにより、ネット販売の軸が定まれば、「甘いスイカでお客様を幸せにする!」という農家さんの熱い思い、努力は必ずお客様に伝わるものです。
上記の二つのネットショップを比べた時、コンセプトのあるネットショップの方が、売上が上がるのは明らかです。
ネットショップを作る時には、まずはコンセプトを作るところをスタート地点とすべきです。
それでは、どうすれば、良いコンセプトを作れるのか、具体的な作り方を説明します。
2.コンセプトの作り方
ネットショップのコンセプトを作るときは
- どんなお客様に
- どんな商品を提供し
- どう喜んでもらうか
の3つをしっかりと決めてやれば、良いコンセプトを作ることができます。
2-1.どんなお客様に
お客様がいなければ、どんなにおいしい野菜・果物でも売れません。
ですから、コンセプト作りは、まずあなたの野菜・果物を、どんなお客様に購入してもらうのかを決める事から始めます。
あなたの野菜・果物を喜んでくれるのはどんな人でしょうか?
年齢や性格などできるだけ具体的にお客様像を考えます。
スイカ農家さんの例では、「家族と生活しており、丁寧な暮らしをしている30~40代の女性」ですね。
こんな風に絞ってしまうと、その分お客様が減ってしまうと思うかもしれません。
しかし実は全く逆で、絞らなければ、お客様に共感してもらえるネットショップを作ることはできないのです。
どんなお客様を対象とするかで、ネットショップのデザインから販売する商品、価格まで全て変える必要があります。
良い例として、自動車の販売店があります。
トヨタ自動車を販売している店は、レクサス店・トヨタ店・トヨペット店・カローラ店・ネッツ店と、5つも販売店があります。
これは、高所得者はレクサス店、若いファミリーはカローラ店というように、対象としているお客様ごとにお店を別にしているからです。
効率だけを考えるなら、全て同じお店にした方が効率的です。しかし、それではタイプの違うお客様を満足させることができない為、お店を分けているのです。
野菜・果物のネットショップも全く同じです。絞ることでそのお客様に共感し、買い物してもらえるネットショップになるのです。
あなたの野菜・果物を評価してくれるお客様を、できるだけ具体的に考えましょう。
2-2.どんな商品を提供し
対象となるお客様が決まったら、次にそのお客様に対して、どんな商品を提供するかを考えましょう。
ただ単に、「スイカを提供する」ではなく、あなたの野菜・果物の特徴やこだわりをもとに、どんな商品を提供すればお客様が喜んでくれるかを考えましょう。
スイカ農家さんの例では、「甘いスイカ」でした。
ここでのポイントは、あなたならではの良い所を持った商品を考えることです。
ナンバーワン、オンリーワンまでは必要はありません。
「こんな良い所があるんですよ!」と自信を持って言える所があれば、それを活かしたコンセプトにすることで、際立つネットショップとなることができます。
2-3.どう喜んでもらうか
最後に、あなたの野菜・果物を購入して、お客様にどう喜んでもらうかを考えましょう。
スイカ農家さんの例では、「甘いスイカを家族でおいしく食べて、涼しく幸せな夏を過ごしてもらう」でした。
お客様にどう喜んでもらいたいか、という事が具体的になっていれば、その為のアイデアを考えることができます。
例えば
- スイカを加工して、子供向けにスイカアイス等を作って販売する
- 商品のお礼状に、涼しげな夏を感じられる写真を印刷する
などのアイデアが考えられます。
このような独自のアイデアは、あなたのネットショップを差別化できるポイントです。
ここまで考えることで、他のネットショップに埋もれない、際立つコンセプトになります。
2-4.農家さんの思い
ここまででコンセプトは完成しましたが、最後に最も重要なことを説明します。
それは、コンセプトに対する、農家さんの熱い思いです。
良いコンセプトを作っても、そこに農家さんの思いが入っていなければ形だけのコンセプトになってしまいます。
スイカ農家さんの例であれば
「甘いスイカでお客様を幸せにする!」
という、農家さんの熱い思いが必要です。
農家さんの思いを込めて、自分の言葉で書いたコンセプトを作りましょう。
泥臭いようですが、このような思いは必ずお客様に伝わると、私達は思っています。
3.コンセプトに沿ったネット販売を行う
コンセプトを作ったら、そのコンセプトをしっかり活用しましょう。
- ネットショップのデザイン
- 商品
- 価格
- 配送時のダンボールデザイン
- お礼状の内容
等、ネット販売に関わる全ての部分を、コンセプトをもとに、一貫性を持って作成・運営します。
そうする事で、冒頭の例であれば、
「いつも甘いスイカを送ってくれて、家族で過ごす夏には欠かせない農家さん」
というイメージをお客様に持ってもらえるようになります。
このように、お客様と信頼で結ばれた関係を作ることができれば、他のネットショップとは違った存在になることができます。
4.ブランド野菜・ブランド果物もまずはコンセプトから
多くのお客様に絶賛され、百貨店などで販売されるブランド野菜・ブランド果物。
自分が作った野菜・果物が、ブランドになる事に憧れている農家さんも多いのではないでしょうか?
あなたの野菜・果物をブランド化するのも、まずはコンセプトがあってこそです。
一貫したコンセプトの下、お客様を満足させ続ける事がブランドにつながっていきます。
どんなにおいしい野菜・果物でも、コンセプトが定まらず、軸がふらふらしていては、ブランドになる事はありません。
農産物のブランド化については、また別途記事を書きますが、いつかあなたの野菜・果物をブランド化する為にも、しっかりコンセプトを持ってネットショップを作成、運営していきましょう。
5.まとめ
農家さんがネットショップを開業する時に、まず最初にやるべき事は、コンセプトの設定です。
ネットショップに限らず、成功するお店には、必ず明確なコンセプトがあります。
コンセプトを作る時は
- どんなお客様に
- どんな商品を提供し
- どう喜んでもらうか
を決めることで、しっかりとしたコンセプトを作ることができます。
そして何よりも大切なのは、農家さんが思いを込めて、自分の言葉でコンセプトを作ることです。
思いの詰まったコンセプトには、必ず共感してくれる人がいます。
コンセプトを設定し、農家さんの思いが詰まったネットショップを作っていきましょう。