ネットショップの支払い方法ってたくさんありますよね。
「銀行振込」「クレジットカード払い」「コンビニ払い」など・・・
「クレジットカードに対応してないから、このお店で買い物するのはあきらめよう」というお客様もいたりするため、ネット販売では、対応している決済の種類によって売上げが大きく変わります。
では、農家さんがネット販売を始めるとき、どんな決済方法をネットショップに導入すればいいのでしょうか?
今回の記事では、農家さんが導入すべき決済方法についてメリットや導入のやり方を解説したいと思います。
よく使われる決済方法
ネットショップに導入する決済方法は、なるべく多くの人が利用しているものを選びたいですよね。
そこで、まずはどんな決済がよく利用されているのか見てみましょう。
次のグラフは、決済の利用割合を調べたものです。
(参照:総務省「 インターネットで購入する際の決済方法」)
このグラフをみると、
- クレジットカード決済
- 代金引換
- コンビニ決済
- 銀行振込
これら4つが大半を占めています。
農家さんがネット販売を始める場合も、これらの決済方法は用意しておきたいところです。
どの決済方法がいいのか
ネットショップを利用するお客様にとって、好みの支払い方法はそれぞれ違います。
忙しいサラリーマンなら、パソコンの操作だけで済む「クレジットカード払い」をしたいと思うでしょうし、銀行の近くに住んでいる人なら、「銀行振込」をしたいと思うでしょう。
ところが、もしあなたのネットショップに好みの支払い方法が無かったら?
せっかく目当ての野菜や果物をみつけても、支払いができなくて購入をあきらめてしまうかもしれません。
そのため、ネットショップの支払い方法は、いくつか用意しておいたほうが良いです。
決済の種類は多いほど、売上のチャンスも増えるので、先ほど紹介した4つの決済方法
- クレジットカード決済
- 代金引換
- コンビニ決済
- 銀行振込
これらは、できれば全て導入することをおすすめします。
もちろん、最初からすべて用意する必要はありません。
ネット販売初心者の農家さんであれば、まずは「銀行振込」や「代金引換」でスタートし、慣れてきたら他の決済方法も導入するというのも良いでしょう。
それでは、これら4種類の決済方法について、詳しく説明していきましょう。
(導入がカンタンな順に紹介したいと思います。)
銀行振込
お客様に、直接お金を振り込んでもらう、とてもシンプルな決済方法です。
自分の銀行口座さえ持っていればいいので、導入する手間もかかりません。
メリット
- 口座さえあれば、すぐに始められる
- 振込手数料は、お客様が払う
デメリット
- お客様は、銀行やATMが使える時間しか、支払いができない
- お客様は、わざわざ銀行まで行かないとダメ
このように、ネットショップにとってはうれしい決済ですが、お客様にとっては支払いが少しタイヘンかもしれません。
ただ、銀行振込が分かりやすくていいというお客様も、ご年配や主婦のなかには多いと思います。
銀行振込を利用するには
銀行振込を決済に導入するのはカンタンです。
ネットショップの決済ページに、代金を振り込んでもらいたい口座の、口座番号や名義人を載せておくだけです。
このような情報を載せておけば、お客様はあなたの口座に振り込むことができます。
農家さんは振り込まれたことを確認して、商品を発送するだけです。簡単ですね。
※ただし、ゆうちょ銀行に振り込んでもらう場合は注意が必要です。
- お客様がゆうちょ銀行から振り込むとき、口座番号をそのまま載せればOK。
- お客様が他の銀行から振り込むとき、口座番号を振込用の情報に変換する。(変換はゆうちょ銀行のサイトで)
なので、ゆうちょ銀行に振り込んでもらう場合は、次の2つを記載しておきましょう。
口座番号をホームページに載せて大丈夫!?
自分の口座番号をホームページに載せてしまって、悪用されないか心配ですよね。
安心してください。
銀行からお金を引き出すには、「通帳と印鑑」もしくは「キャッシュカードと暗証番号」が必要です。
口座番号や名前が分かるだけでは、不正にお金を引き出されることはありません。
、、、それでも、少し抵抗がある・・・
そんなときには、おすすめの方法があります。
注文してくれたお客様に、あとからメールで口座番号を教える方法です。
これならホームページに載せなくてすみますね。
※追記(2020/9/9)
2020年、「ドコモ口座」という決済サービスを不正利用し、本人が知らない間に銀行口座からお金が引き出される事件が起きました。
不正利用には、1.口座名義 2.口座番号 3.キャッシュカードの暗証番号が使われました。
暗証番号が万一漏れてしまうと、このような被害にあう恐れがあるので、ネット販売決済用の口座名義や口座番号は、ホームページに掲載せず、ご購入者に直接メールでお知らせする方が安全です。
銀行振込の手数料
銀行振込の手数料は、振り込む側の口座から引き落とされるので、基本的にはお客様が負担することになります。
ネットショップにとってはうれしいですね。
ただし、「振込手数料はお客様に負担していただきます」と、わかりやすく書いておきましょう。
知らずに手数料を引かれると、お客様もイヤな思いをします。
それに、少しでも不明な点があると、お客様は購入をためらってしまいますから、疑問に思われそうなことは明記しておきましょう。(手数料の負担、支払い期限、確認方法など・・・)
おすすめの口座
今持っている口座をそのまま使ってもいいのですが、ネットショップ用に新しく口座を作るのがおすすめです。
その方が入金の管理などをしやすくなります。
口座の種類は、「普通預金」で問題ありません。
ゆうちょ銀行の場合は、「総合口座」と「振替口座」がありますが、とりあえず「総合口座」にしておけばOKです。
それと、ネット銀行もおすすめです。
お金が振り込まれたかどうかの確認をパソコンでできるので便利です。
「ジャパンネット銀行」なら、口座名義がネットショップ名の口座をカンタンにつくれますよ。
代金引換(代引き)
代金引換は「代引き」とも言って、ネット販売で人気のある支払い方法です。
支払いの流れは、
1.お客様のところへ商品が届く
↓
2.商品と引き換えに、代金を配達員さんに渡す
↓
3.回収したお金は、後日、指定した口座に振り込まれる
このような決済方法です。
メリット
- 銀行振込のように、入金の確認を毎回しなくてもいい
- お客様は、商品を手にしてから支払うので安心
デメリット
- お客様が受け取らなかったら、商品が送り返されることもある
ネットショップをやる農家さんとしては、お金が支払われたのを確認してから、商品を発送したいですよね。
逆に、お客様からすれば、前払いだと本当に商品が届くのか心配になります。
代金引換は商品と代金が手渡しなので、農家さんとお客様どちらにとっても安心な決済方法といえます。
代金引換を利用するには
ヤマト運輸や佐川急便などで代金引換をお願いするには、前もって契約が必要です。
いっぽう、ゆうパックでは契約なしで代金引換を利用できます。
なので、ネットショップを始めたばかりの農家さんは、ゆうパックで代金引換の発送をするのがおすすめ。
やり方はとてもカンタンです。
郵便局に行けば、専用の送り状が置いてあるので、送り先や口座番号を記入して商品に貼ります。
あとは、その送り状を商品に貼り付けて、そのまま発送するだけです。
(身分確認があるので、運転免許証などを忘れずに)
ひとつだけ注意しておくことは、発送時に「送料」と一緒に「手数料」を払わないといけない点です。
もし、あなたのネットショップで、代引き手数料をお客様に払ってもらうように決めていても、いったん自分で支払っておく必要があります。
代金引換の手数料
ゆうパックの代金引換料金は、一律260円です。(2017年5月現在)
意外に安いと思ったのではないでしょうか?
それに、先ほどちらっと言いましたが、お客様に手数料を負担してもらうこともできます。
例えば、3,000円の商品を送る場合は、送り状の請求金額のところに、手数料を含めて3,260円と記入します。
これで自分が負担しなくても大丈夫ですね。
もちろん、ホームページで「手数料260円をお客様に負担していただきます」と断っておきましょう。
また、代金引換では、回収したお金を口座に振り込んでもらう手数料がかかります↓
口座 | 手数料(5万円未満) |
ゆうちょ銀行 | 130円 |
他の金融機関 | 216円 |
ゆうちょ銀行の口座にすれば、手数料が安くてお得ですね。
以上のように、代金引換は誰でもカンタンにできるので、ぜひ導入してみましょう。
クレジットカード決済
決済のなかでダントツに利用されているのが、クレジットカード払いです。
クレジットカードが使えないネットショップでは購入しない人もいるくらい、ネット販売では重要な決済です。
メリット
- お客様は、パソコンの操作だけで支払いができる
- クレジットカード払いに対応していれば信頼されやすい
デメリット
- 口座に振り込まれるのは翌々月だったりと、入金までに時間がかかる
以前は、クレジットカード決済を導入するのはハードルが高かったのですが、最近は「クレジットカード決済代行会社」がたくさん増えたおかげで、個人でもカンタンに導入できるようになりました。
クレジットカード決済を導入するには
まず、クレジットカードといっても、種類はたくさんあります。
- VISA
- マスターカード
- JCB
- アメリカンエクスプレス
お客様がどのクレジットカードを使っているか分からないので、なるべく多くのクレジットカードに対応しておかないといけません。
そこで農家さんにおすすめなのが、「クレジットカード決済代行会社」を利用する方法です。
決済代行会社と契約すれば、たいていのクレジットカードに対応できるうえ、入金などもまとめて管理してくれるので便利です。
有名な決済代行会社をあげると、
- イプシロン(GMOイプシロン株式会社)
- クロネコWebコレクト(ヤマトフィナンシャル株式会社)
このあたりが手数料も安くておすすめです。手続きも簡単で、インターネットから申し込めます。
クレジットカード払いに対応した決済ページが必要
実は、クレジットカード決済を導入するには、決済代行会社に申し込んだあと、もうひとつ作業が必要です。
それは決済ページの準備です。
インターネットでクレジットカード払いをするとき、専用画面でカード情報を入力しないといけません。
そのシステムを、あなたのネットショップにも準備する必要があるのです。
これは専門知識がないと難しいため、ホームページ制作会社にお願いすることになります。
これからネット販売を始めたいという農家さんは、ホームページ制作会社を探すとき、クレジットカード決済に対応したネットショップを作れるか確認しておくことをおすすめします。
すでにネットショップを持っている農家さんは、ホームページ制作会社に一度相談してみましょう。
クレジットカード決済の手数料
クレジットカード決済の場合、手数料はネットショップ側の負担となります。
(カード会社を通じた決済なので、お客様に負担してもらうのは難しい)
では、何円くらい手数料がかかるのでしょうか?
参考として先ほど紹介した2社の手数料を載せておきます。(2017年5月現在)
例えば、イプシロンだと商品が4,000円の場合、手数料は 4,000円 × 5.5% = 220円 になります。
かなり安いですね。
これなら手数料を負担しても、十分利益が出そうです。
コンビニ決済
ここ最近、利用が増えてきているのがコンビニ決済です。
コンビニは全国どこにでもあるし、おまけに年中無休で24時間あいています。
お客様からすれば、とても便利な支払い方法ですね。
メリット
- お客様は、24時間365日いつでも支払いができる
- コンビニは全国にたくさんあるので、支払いに行きやすい
デメリット
- 後払いになる。(ペーパーレスにすれば前払い可能)
コンビニ決済については、あまり知らない人もいると思うので少し詳細に説明しておきます。
コンビニ決済の支払い方法には、次の2つのタイプがあり、
- 商品と一緒に送られてきた払込票をコンビニに持っていき、レジで支払う
(払込票方式) →後払い
- 商品を注文した時点で払込番号が知らされ、その番号をもとに支払う
(ペーパーレス方式) →前払い
このどちらかになります。
それぞれ順番に詳しく説明します。
払込票方式
払込票というのは、こんな紙です↓
おそらく一度は見たことがあるのではないでしょうか?
お客様は、この払込票をコンビニのレジに持っていき、支払いをします。
この決済方法だと、お客様の手元に払込票が必要です。
払込票は商品といっしょに同梱して送るため、後払いになってしまいます。
でも、お客様にとっては、簡単で分かりやすい支払い方法なので、大手通販など多くのネットショップが採用しています。
ペーパーレス方式
後払いはちょっと不安だ、、、という農家さんは、ペーパーレス方式にすれば前払いが可能です。
ペーパーレスのコンビニ決済では、まずお客様に払込番号をメールなどで伝えます。
そして、お客様は、
- コンビニのレジで払込番号を言って支払う
- コンビニの端末で払込番号を入力し、申し込み券を発行して、レジで支払う
このどちらかで支払います。
こうしてお客様の支払いが完了したあと、実際に商品を発送します。
前払いで支払ってもらえるので、ネットショップにとってはありがたい決済方法です。
コンビニ決済を導入するには
実は、クレジットカード決済代行会社の中には、コンビニ決済もいっしょに提供しているところがあります。
先ほど紹介した、
- イプシロン(GMOイプシロン株式会社)
- クロネコWebコレクト(ヤマトフィナンシャル株式会社)
この2社も、コンビニ決済のサービスを提供しています。
手数料は以下のようになっています↓
コンビニ決済の手数料は、お客様に負担してもらうこともできますよ。
(代金引換のときと同じように、手数料を含めた金額を請求する)
また、払込番号の送信なども代行してくれる場合が多いので、農家さんに手間はほとんどかかりません。
コンビニ決済は、今後も増えていくと思われるので、できれば導入しておきたい決済の一つです。
成功農家さんの決済導入例
ネット販売で成功している農家さんは、どんな決済方法を導入しているのかでしょうか?
5例ほど調べてみました。
今回紹介した4種類の決済方法は、多くの農家さんが採用しています。
ちなみに、これ以外の決済方法については、ほとんど対応していませんでした。
ということは、これらの決済方法を導入しておけば、成功した農家さんと同じ決済方法のネットショップができるということです。
これまで説明したように、導入のやり方はそれほど難しくなかったと思います。
あなたも、成功した農家さんに負けないネットショップを作ってみませんか?
まとめ
今回はネットショップの決済方法について紹介しました。
いかがでしたか?
農家さんのネットショップで導入しておきたい決済方法は
- クレジットカード決済
- 代金引換
- コンビニ決済
- 銀行振込
の4種類です。
最近は、決済代行業者のサービスが充実してきているので、個人農家さんも「クレジットカード払い」や「コンビニ払い」をカンタンに導入できるようになりました。
農家さんがネット販売で成功するチャンスは、ますます増えたと思います。
実際、決済方法を増やしただけで、売上が伸びたというネットショップもあります。
「せっかくネット販売をやるんだから、自分は大きく稼ぎたい」と意欲のある農家さんは、ぜひ、今回紹介した4つの決済を導入してみてはどうでしょうか。