先日、農業業界として、TPP関連で注意しておきたいニュースが入ってきたので紹介します。
産経新聞社より引用
日本は「第一の標的」 農業市場開放要求へ – サッと見ニュース – 産経フォト
米通商代表部(USTR)代表に指名されたロバート・ライトハイザー氏(69)は14日、議会上院の指名公聴会に臨み、農業分野の通商交渉で「日本は第一の標的になる」と強調、日本に農業分野の市場開放を強く求める考えを示した。
日本など環太平洋連携協定(TPP)参加国と2国間交渉を推進するとし「TPPを上回る合意を目指す」とも指摘。米国にとって、より有利となるよう関税や非関税障壁の見直しを迫る構えで、日本が厳しい交渉を迫られるのは必至だ。
簡単にまとめると、アメリカの貿易関係のトップが、
「日本に対して、TPPよりも、更に農業自由化の方向(関税を引き下げる方向です)で交渉を進めていく」
と明確に考えを示したというニュースです。
関税引き下げということは、海外の農産物が安く日本に入ってくることです。
まだ交渉が始まっているわけではないので将来の話ですが、日本の農業業界としては注意しておくべきニュースです。
TPPは無くなったのでは?
「トランプ大統領になってTPPは終わったんじゃないの?なんでいまさら?」
このように思う農家さんも多いと思います。
確かにトランプ大統領になって、アメリカはTPPから離脱しました。
しかし、TPPとは関係なく、日本とアメリカの1対1で貿易についての取り決めをすることは問題ありません。
むしろTPPが無くなった分、「1対1でしっかりアメリカにとって有利に交渉を進めていこう。」と考えていても全く不思議ではないのです。
今回のニュースは、それをはっきりアメリカ側のトップが明言したという事です。
おそらく、今後アメリカ側からTPPより厳しい条件で、農業分野の関税引き下げなど、様々な要求・交渉が始まっていくと思われます。
今後はどうなる?
では今後の日本農業はどうなるのでしょうか?
アメリカが厳しい要求を突きつけてきても、日本側の頑張りによって農業分野の関税は守られるという可能性もゼロではありません。
しかし、現実的なところでは、やはりTPP同様、農業分野の関税が引き下げられる可能性が高いと思います。
とはいえ、まだ日本とアメリカで交渉を始めると決まっているわけではありません。
どのような結果になるにしても、かなり先の話である事は間違いないです。
対策を進めていく時間的余裕はあります。
過度に不安にならず、将来的に海外の安い農産物に勝てるよう、野菜、果物の品質改善や、売り方の工夫を進めていくことが大切だと思います。
このあたりの農家さんの対応については、以前の記事
「トランプ就任でTPPはどうなる?TPPの今後と農業への影響」
「TPPって何?農業に与える影響と農家さんが取るべき対策」
に詳細に書いていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。