野菜・果物の魅力を、お客様にアピールするには、キャッチコピーが必要です。
農家さんが一生懸命作った野菜・果物、本当は十分売れる良いものなのに、キャッチコピーでお客様を引きつけられない為にその良さが伝わらず、売れていない、そんな例はいっぱいあります。
しっかりとしたキャッチコピーを作れば、野菜・果物の魅力がお客様に正しく伝わり、良いものは売れます。
キャッチコピーを変えただけで、ネットショップの売上が倍増することも多々あります。
今回の記事では、お客様があなたの野菜・果物に魅力を感じるキャッチコピーの作り方を紹介します。
今までキャッチコピーを作ったことがない農家さんも多いと思いますが、実際にサンプルのキャッチコピーを作りながら説明していくので、是非参考にしてみて下さい。
1.あなたの野菜・果物の魅力を伝えるのはキャッチコピー
野菜・果物のネット販売の場合、同じ種類の野菜・果物が近所のスーパーに低価格で売っています。
お客様がネットショップを訪れたとき、興味を引かれないキャッチコピーだった場合、それ以上ページ読み進めてくれることは、ほぼありません。
近所のスーパーで買い物をしてしまうでしょう。
一生懸命作った野菜・果物が、その良さをアピールする前にお客様が立ち去ってしまうのです。
本当はお客様の喜ぶいいものを作っているのに。すごく悔しいことですよね。
逆に、興味を感じるキャッチコピーだったらどうでしょうか?
それ以降のページも読んでもらえ、あなたの野菜・果物の良さやこだわりを、十分にアピールできます。
そうなれば「あなたの野菜・果物を欲しい!」となってくれる可能性はグッと高まります。
あなたが一生懸命作った野菜・果物の魅力を、正しくお客様にアピールするのはキャッチコピーなのです。
もちろん、キャッチコピーはネット販売の売上にも大きく影響します
現代広告の父と呼ばれる、デイヴィッド・オグルヴィの
「ヘッドライン(キャッチコピー)を変えただけで、売り上げが10倍も違ってくることもある。」
という言葉もあります。
野菜・果物の魅力をお客様に伝え、正統な対価(売上)をいただく為に、しっかりとしたキャッチコピーを作りましょう。
2.センスの良いキャッチコピーと売れるキャッチコピーは別
キャッチコピーを作り始める前に、一つだけ説明しておくべきことがあります。
それは
センスの良いキャッチコピーと売れるキャッチコピーは別
だという事です。
皆さんがCM等でよく目にする、覚えやすくセンスの良いキャッチコピーは、売ることを目的としていません。
(理由はこの記事の最後に補足として書いていますので、興味があれば読んでみて下さい)
ですから、そのようなキャッチコピーを真似して作っても、野菜・果物のネット販売の売上はアップしません。
短くかっこ良いキャッチコピーである必要はないのです。
少しくらい長くなったり、かっこ悪くてもいいので、キャッチコピーでは二つの目的
- お客様にとってどんな良い事があるのかが分かる
- お客様が先を読み進めたくなる
これらを達成することを考えて作るようにしましょう。
上記の二つの目的を達成できれば、お客様に魅力の伝わる、売れるキャッチコピーになります。
3.魅力の伝わるキャッチコピーの作り方
それでは、ここからはいよいよキャッチコピーの作り方について紹介していきます。
サンプルとしては、下記のような特徴のスイカのキャッチコピーを考えます。
- 商品名:熊本スイカ
- 商品の特徴:強い甘み
Step1.ターゲットとなるお客様を設定する
キャッチコピーはお客様に訴えかけるものです。
その為、まずは誰に訴えかけるのか、ターゲットとなるお客様を考えましょう。
あなたの野菜・果物を喜んでくれるのはどのような人でしょうか?
ここでのポイントは、できるだけ具体的にお客様をイメージする事です。
サンプルのスイカであれば
年齢は30~40代で、丁寧な暮らしをしている女性。
少し高くてもいいから、本当においしいスイカを食べたい。
子供の頃から、夏のスイカを楽しみにしており、毎年、家族皆でスイカを食べるのが夏の楽しみ。
今年はスーパーではなく、ネット販売で農家さんから直接スイカを購入し、例年よりもおいしいスイカを食べたい。
甘いスイカが好み。
これくらい具体的にイメージすると良いでしょう。
「こんなに絞ってしまっていいの?」「このイメージ以外のお客様もいるのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、万人をターゲットにしてしまうと、ぼんやりした魅力のないキャッチコピーになります。
例えば
「おいしい熊本スイカを産地直送」
というキャッチコピーはどうでしょうか?
万人に受け入れられるキャッチコピーではありますが、「この先を読みたい!」とはならないですよね。
お客様を具体的に絞ってイメージするからこそ、その人に刺さる、先を読みたくなるキャッチコピーになるのです。
Step2.お客様にとっての良いこと(ベネフィット)を明確にする
お客様が興味を持ったり、買いたいと思うのは、その商品を買うことで、お客様にとって良いこと(ベネフィット)があるからです。
「土作りからこだわりました!手間暇かけた熊本スイカをお届けします」
このようなキャッチコピーでは、お客様にとって、どんな良いスイカなのかが分かりません。
必ず、お客様にとっての良い事が分かるキャッチコピーにしましょう。
その為に、まずお客様にとっての良い事を、野菜・果物の特徴を踏まえながら書き出します。
サンプルのスイカであれば、
- 強い甘みを楽しめる
- 爽やかなシャリシャリ感
- 産地直送で新鮮
- 冷たいスイカで涼をとる
- 縁側でスイカを食べる夏の思い出
- 日本一のスイカ産地である熊本ブランドの安心感
スイカを買うことでお客様にこのような良い事がある、ということです。
そして次に、これらの中から、キャッチコピーでメインとしてアピールする内容を選びます。
ターゲットとなるお客様の気分になって、最も嬉しいと感じる内容を選びましょう。周りの人にどれがいいか聞いてみるのもいいです。
今回は
- 強い甘みを楽しめる
という事をメインとしてアピールする事にします。
注意点ですが、お客様にとっての良い事は、あなたの野菜・果物に合ったものを考えるようにしましょう。今回の例であれば、甘みが特徴のスイカだったので、「強い甘みを楽しめる」という事を挙げています。
野菜・果物の特徴に合わない事をキャッチコピーに書くと、(その場の売上は上がるかもしれませんが)信頼をなくしてしまい、長い目で見るとマイナスしかありません。
Step3.複数の案を作り第三者に確認してもらう
ここまで来れば、後はキャッチコピーの文章を考えていきます。
サンプルのスイカの場合
ターゲットとするお客様
年齢は30~40代で、丁寧な暮らしをしている女性。
少し高くてもいいから、本当においしいスイカを食べたい。
子供の頃から、夏のスイカを楽しみにしており、毎年、家族皆でスイカを食べるのが夏の楽しみ。
今年はスーパーではなく、ネット販売で農家さんから直接スイカを購入し、例年よりもおいしいスイカを食べたい。
甘いスイカが好み。
お客様にとっての良い事
- 強い甘みを楽しめる
これらを元にして、お客様の事を思い浮かべながら、スイカの良いことを語りかけるようにキャッチコピーを作っていきます。
ここでのポイントは、一つだけでなく、何個もキャッチコピーの案を考えることです。
キャッチコピー案
夏はおいしいスイカを家族で食べよう。スイカ日本一の熊本から、あま~いすいかをお届けします |
あま~いスイカで、特別な夏の思い出を。甘くてシャリシャリのスイカを熊本から産地直送お届けします |
今だけの楽しみです。爽やかなシャリシャリ感と甘みの熊本スイカで、日本の夏を楽しみましょう |
夏が大好きなあなたへ。スイカ日本一の熊本から、あま~いすいかをお届けします |
スイカがこんなに甘いなんて、初めて知りました。手間暇かけて育てた熊本スイカだけの特別な甘さです |
等々
そして、複数のキャッチコピー案ができたら、次にその案を自分以外の第三者に見てもらいます。
できれば、ターゲットとなるお客様に近いタイプの人に見てもらえればベストです。
キャッチコピーを読むのは、作った自分ではなく、お客様です。
第三者の評価が、実際のキャッチコピーの評価です。
ここで評価の最も高いキャッチコピーを選ぶようにしましょう。
サンプルでは
「スイカがこんなに甘いなんて、初めて知りました。手間暇かけて育てた熊本スイカだけの特別な甘さです」
が好評だったので、このキャッチコピーを採用します。
最後に、ホームページ内のスペースや雰囲気に合うように調整して完成です。
このような明確でお客様を引き込むキャッチコピーは、野菜・果物の魅力が伝わり、あなたの野菜・果物をお客様に正しく評価してもらえます。
7.まとめ
今回はキャッチコピーの大切さ、作り方を紹介しました。
最後にもう一度キャッチコピーの作り方をまとめます。
- ターゲットとなるお客様を設定する
- お客様にとっての良い事(ベネフィット)を明確にする
- 複数の案を作り第三者に確認してもらう
単純な事ですが、これを実践するだけで、キャッチコピーの効果は高まります。
あなたが一生懸命作った野菜・果物の魅力を、正しくお客様に伝える為に、しっかりとしたキャッチコピーを作りましょう。
補足.よく目にするキャッチコピーはなぜ売れないのか?
世の中には、センスが良く、頭に残る素敵なキャッチコピーが溢れています。
しかし、そのようなキャッチコピーを真似して作っても、野菜・果物のネット販売の売上はアップしません。
実は、皆さんがよく目にする、覚えやすくセンスの良いキャッチコピーは、売ることを目的としていません。
これらはイメージコピーと呼ばれるもので、商品を覚えてもらう事とイメージアップが目的なのです。
例えば、よくCMで聞く、コスモ石油のキャッチコピー
「ココロも満タンに コスモ石油」
このキャッチコピーを見て、「すぐにコスモ石油にガソリンを入れに行こう」と思う人はいないでしょう。
しかし、何となく「コスモ石油は温かく、真面目な接客をしてくれそうだな」と感じますし、コスモ石油という名前が頭に残り、親近感が湧きます。
このように感じてもらうことが、CMなどでよく皆さんが目にするキャッチコピー(イメージコピー)の目的なのです。
こうしてコスモ石油に良いイメージを持っていれば、車を運転中に、道沿いのコスモ石油に少しでも目を留めます。
もしそこで会員限定3円引きなどのキャンペーンを行っていれば、「コスモ石油にいこう!」となるわけです。
ですからイメージコピーは、
- 短くシンプルで覚え易い
- 商品イメージをアップするセンスの良さ
このような事が大切になってきます。
それに対して、野菜・果物のネット販売では、キャッチコピーを見たそのネットショップで購入してもらわないといけません。
その為、ネット販売のキャッチコピーでは
- お客様にとってどんな良い事があるのかが分かる
- お客様が先を読み進めたくなる
このような事が必要なのです。
CMで目にするイメージコピーと、ネット販売で売る為のキャッチコピーとでは、必要とされるものが違うのです。
これが、よく目にするかっこ良いキャッチコピーでは、野菜・果物のネット販売の売上がアップしない理由です。